うちの実家で飼っていた犬が死んだ。
親の知り合いの犬が子犬を産んだのを期にもらってきた犬で、父親知らずの雑種だった。
母犬はなんとかスパニエルとかいう種類だったが、よく知らない。
ただ、生まれて始めて飼った犬だけに自分にとっては思い入れがある犬だった。

産後3週間ほどでうちに来たためか、すごい寂しがり屋で人なつこい犬だった。
1週間ほど前から具合が悪くなり、手術をした。
自分が病院に見に行ったときには、意識が朦朧として僕だとも認識できないでいた。
ただ点滴を打たれてキューンキューンと鳴き声をあげていた。
誰に向かって鳴いていたのか。
前日までは、比較的元気に過ごしていたという。
自分の経験からいっても術後は大変、心寂しい。
その時にすぎに見舞ってやれなかったのが心残りだ。
ただ遺影は大変、穏やかに写っていた。
それだけが救いだ。


今年の春に当初犬を散歩していた祖父が死に、この冬に犬が死んだ。
そして近いうちに父親が死ぬ。