大阪天王寺阿倍野地区では日本でも有数の再開発事業が進められている。
どうやら事業としてはあまりうまくはいっていないらしいが、高層マンションなどの建設が進められている。
その再開発地区の隣接地は飛田新地という遊郭である。
http://www9.ocn.ne.jp/~jitian/japan/osaka/taiyoshi/taiyoshi.htm

戦災でほとんどの店は消失しましたが、再び赤線としてよみがえり、1958年の売春防止法以後は料亭に転じたことで、現在もなお、伝統的雰囲気を色濃く残す街並みとその営みが保たれています。

とあるように売春宿ではなく、料亭という形で今でも営業されている。
建物のファサードが解放されており、そこに女性とそれを斡旋しているのかまさしくオバチャンという人が並んで座っている。
飛田新地には「路地」というのか、そのような雰囲気がいまだかすかに残っているが、もうあまり遊郭の人気がなくってきたのだろうか、ところどころ空き地となっており、路地的なものが消滅しつつあるように感じる。といっても飛田に訪れたのも始めてだったため、昔の状況を知らない。
昔の飛田新地には「嘆きの壁」といって遊女が逃げないように壁が四方に張り巡らされていたらしい。(現在はすでに撤去されている)
ある意味ではディズニーランド方式というか「自閉した記号空間」を演出してもいたのだろうか。
http://katuhei.hp.infoseek.co.jp/tobita.html(参照)
しかし今、むしろ興味深いのは、隣接している阿倍野の再開発のマンション群に「壁」ができていることだ。
遊郭の壁が崩れた後に形成される壁。
むしろ閉じ始めているのは市民社会のほうだということがわかる。